ファンタジー向けオープン存在論フレームワーク

JA Qualia

はじめに

ファンタジー向けオープン存在論フレームワーク(以下、「本フレームワーク」)は、
ファンタジー世界における各種法則を体系的にまとめたものである。

しかしながら、そのすべてを網羅したものではない。

あくまでも多数の世界において共通して包有されている公倍数的要素を抽出し、
それらを体系化したに過ぎない。

想像力を有するすべての存在にとって、本書が有益なものであることを望む。

なお、本フレームワークにはCC-BY-SA 4.0が適用されるものとする。

Open Ontology Framework for Fantasy © 2026 by ShortWave.STUDIO(Yuta Hayakawa) is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International

公理

本フレームワークで定義する公理を下記に示す。

公理0:生命

生命とは、エントロピーを有する実体である。

「エントロピーを有する」とは、エントロピー値を持つことを意味する。
エントロピーが変化可能である必要はない。

「実体」は現時点では未定義の基本概念とする

公理1:エントロピー

エントロピーは、外的干渉を受けない限り単調増加し、最終的に無限に発散する。

ここでいう外的干渉とは、「当該エントロピーを有する実体以外による干渉」を指す。
干渉元が対象に対して空間的・論理的に内部なのか外部なのかは問わない。

外的干渉によって、エントロピーには減少・停止・増加・増加率の変化などが生じ得るが、
外的干渉が終了すれば再び単調増加へ復帰する。

公理2:ステート/ステート履歴

ある時点における実体のエントロピー状態のスナップショットを「ステート」と称する。
また、その変更履歴を「ステート履歴」と称する。

ステート履歴は、「暗黙的かつ自動的に」順序を保持して記録されるものであり、
観測者や記録主体を必要としない。

同一エントロピー値であっても、必ずしも同一ステートとはみなさない。
ステートの記録頻度・間隔、その解釈方法・利用方法については作品依存とする。

公理3:生命の始まり/終わり

任意の実体におけるステート履歴の記録開始を生命の始まりとする。
また、記録終了を生命の終わりとする。

記録開始・終了はいずれも確定状態を指す。

ステートが一時的に変化しないことは記録終了ではない。

一度記録終了した後に再び記録が開始された場合、それは別生命である。
したがって同一生命を維持するには、ステート履歴を終了させてはならない。

記録開始以前および記録終了以後には、その生命としての実体およびエントロピー値は存在しない。

公理4:生命と存在状態

すべての生命は、その状態や状況、物理的/論理的存在の有無によらず、ステート履歴を有する。

したがって、

\text{Life} \not\Rightarrow \text{Physical Existence}

かつ、

\text{Life} \not\Rightarrow \text{Logical Existence}

となる。

物理的にも論理的にも存在しない生命状態について、この体系では排除されない。

公理5:現実

現実とは、任意の実体が知覚/認知可能なすべてである。

したがって現実は実体ごとに成立する。

実体 a の現実を Rₐ とすれば、

R_a = \{x \mid a\text{ can perceive/cognise }x\}

と表現できる。

知覚/認知の手段は問わない。
直接知覚、観測装置、推論、数学その他、最終的にその実体が知覚/認知可能ならよい。

異なる実体間で現実が一致するか、他者の現実そのものを認知できるか等は作品依存とする。

公理6:基底次元

基底次元とは、その世界における主たる実体 a が存在する時空間である。
デフォルトでは、a の知覚系により三次元時空として認識される次元である。

実際に三次元時空であることを意味するものではなく、主たる実体からそう認識されることを基準とする。

公理7:自由度

時空間は、それを構成する自由度を持つ。

自由度には、「種類」に加えて「同一性」の概念を有する。

つまり、

x_1 \neq x_2

が成立しうる。

また、

B = \{x_1, y_1, z_1, t_1\}

と、

L = \{x_1, y_2\}

は「x₁」の自由度のみを共有している。

公理8:高次元

高次元とは、基底次元のすべての自由度を共有し、さらに基底次元には存在しない自由度を持つ時空間である。

基底次元を B、高次元を H とすれば、

B \subset H

である。
したがって単に「自由度数が基底次元より多い」だけでは高次元とはならない。

公理9:低次元

低次元とは、基底次元と共有する自由度を持ち、かつ基底次元より自由度の少ない時空間である。

したがって、

\{x_1, y_1\}

と、

\{x_1, y_2\}

はどちらも同じ基底次元に対する低次元となり得るが、その性質は異なり得る。

公理10:異空間

異空間とは、基底次元およびそれと自由度を共有する低次元/高次元からなる時空間群とは異なる時空間系である。

したがって、

\text{Higher Dimension} \neq \text{Alternate Space}

であり、

\text{Lower Dimension} \neq \text{Alternate Space}

でもある。

異空間側に独自の基底次元・低次元・高次元構造が存在することも許容される。

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